私が体験した本部の考え
私(運営者)は元フランチャイズの社員でした。
職種はSV(スーパーバイザー)。本部とお店の橋渡しが主な役目でした。
ここでは、私が見聞きした本部側の考えをいろいろと語ってまいります。
ある加盟店さんで、一部材料を本部を通さず直接仕入れているところがありました。
商品はまったく同じものでしたが、本部は基本的に他店からの仕入れを禁止しています。
それは、加盟店(オーナー)さんも当然知っていました。なのに、本部から卸してもらうより格段安いとのことで、構わず仕入れを行っていました。
約3〜4割程度割安。一部の商品だけでしたが、総原価にして、3%程度の違いが出てくると加盟店さんは言っていました。
金額にして、おおよそ15万円。加盟店さんにとって、この15万は非常に大きなものでした。
本部にとって見れば、本来利益となる金額です。 本部は、卸している商品にマージンを乗せて加盟店に卸しているので、仕入れの金額が少なくなるということは、業者さんからのバックマージンも少なくなるということなのです。
そこで、あるSVに指令が下りました。
「納入率を上げさせろ!」
SVは仕入れをしなければ、「均一の商品が出せない」「お客様の良いものを提供できない」ということをオーナーさんに懇々と話ました。
しかし、
最終的には「加盟を解除させる」という一言で折れました。
オーナーさんも既に50歳を過ぎていました。今、この商売を辞めれば自分が生きていけないことを悟ったのです。それ以来、素直に仕入れを行い本部はあるべき利益が取れるようになったのです。SVは、それ以来オーナーさんに経営の相談をされることはありませんでした。
オーナーの利益は、本部の損。
本当の利益を取れるFCに加盟しましょう!
本部のS専務は、オーナー会議(加盟店が集まる)上で憤慨していました。
本部に対しての文句ばかりで、新企画にすべてケチをつける
Aオーナーに対してです。
「これじゃ儲けは出ないよ!」「こんなの売れないと思うのですが?」
周りのオーナー達も、「それは言いすぎじゃ?」という顔をしていましたが、本人はお構いなし。さすがに、S専務も「どういう企画だったら売れるの?」と聞き返す有様でした。
そんな、Aオーナーの店へ、S専務が視察に訪れました。そこで、S専務は愕然とします。
【お店の汚さ、従業員の元気のなさ、暗い雰囲気の店内】
すべてに於いて、基準以下。当然売上も、右肩下がり。
担当のSV、支店担当者に対し、怒声が飛びます。
「何やってきたんだ!」
そして、S専務はこのとき決意しました。
「この店は、潰す」
3ヶ月後には、新店舗が約200mの位置に建ちました。
Aオーナーには選択を迫ります。
「今の店で一緒につぶれるか?それとも、新しい店を買い取るか?」
Aオーナーは、借金をして新しい店の買取をしました。
あと何年出来るかわからない体でも、新しい商売や就職の道はない。進むべき道は決まっていたのです。店を買い取り引き継ぐ頃には、本部への怒りも無くなっていたようです。
お互いの信頼関係が結べる本部と契約しましょう!
次回更新予定。